Who I am.

私は幼少時代を山梨県で過ごしました。

家の近くを流れる野川で鮒釣りをおぼえ、小学校へ上がる頃、草木染め作家の母に連れられて行った八ヶ岳で初めての鱒釣りを経験しました。

そうして、釣りの魅力に取り憑かれた幼少期を過ごし13歳の時にフライフィッシングに出会いました

東京の高等学校に進学しマシンクラフトとデザイン・ドローイングを学び、専門学校へ進学し服飾デザインを学び、その後、ジュエリーデザイナー、プロダクトデザイナー、プロダクションマネージメントの仕事を経て、バンブロッドビルダーへ。

2015年5月、米国ニューヨーク州、Catskill Fly Fishing Center and Museum にロッドが展示、同年11月、日本が誇るトラウト王国、北海道へ移住。

多くの皆さんが知るように、北海道には豊富な自然がありそこには山岳地帯から穏やかな川小さな川中規模の川大きく静かな川そして多くの湖にいたるまで、あらゆる種類の河川があり、多種多様のトラウトが生息しています。私の工房は北海道の略中央、上川と空知部群界の分水嶺にあります。魚を釣っては放し、釣っては放し、常に新たなアイデアとテストを繰り返し、そこで発生する様々な問題点に妥協せず、克服し、機能、品質、美しさを追求しています。

そうして私は言葉や値だけではあらわす事のできない心地よい使用感と持つ事の喜び使う事の楽しさ釣りへ出かける喜び物質を超えた価値までもロッドデザインに求めつづけています。

4 Philosophy

action:伝統的な速いアクション。

line:ロッド、ラインとリーダーとのバランス。

taper desgin:竹の組織と構造のバランス。

oil finish:繊細なティップ、テーパーデザインを活かす為の仕上げ。

action:

はじめに、ロッドアクションの表現について、今日の主流となったグラファイトロッドの“ファーストアクション”が新しい意味を持つ様になった事を知ることが重要です。今日のグラファイトロッドの大部分は、以前の時代のロッドよりも全体的に剛性が高いため、曲げパターンに関係なく、速い動作をします。

私のロッドアクションは柔軟なティップとしっかりとしたバットを持つ“伝統的な速いアクションです。そして、ティップからバットまでの剛性が一様に増加していくアクションで、ミドルがティップとバット間で良好なバランスで、漸進的なアクションを採用しています。

 

各モデルのロッドアクションは以下の様に設定しています。

多くの釣り人が知るように、貴方の狙った流れの中の魚の着き場所、性格を想像してみてください。そのロッドデザイン意図をご理解いただけましたら幸いです。

 

テンポ良くドライフライで釣り上がる Classic-Fast (YAMAME) Action

少し面倒な流れを釣る。トルクのある魚を去なす Medium (IWANA) Action

反発力とパーワーを兼ね備えた Medium-Fast (TROUT ) Action

 

貴方に言葉や値だけではあらわす事のできない最高の一竿をお創りいたします。

 

line:

私のラインアップには#4のラインを指定したモデルが多く存在します。これはトラウトフィッシング、特に私の最も得意とするドライフライフィッシングにおいて、その川に潜む大型魚への対応と繊細さを維持できる限界が#4のラインだと考えています。特に繊細さに関しては、多くのエキスパートも#4と#5のラインの間に大きな差があると感じているはずで、これが大きな理由です。また、私はその他の番手に関しては限定的な考えを持っています。

ロッドテストの際に使用するフライラインは、ベリーが軽く、柔らい物(例えばSA の Frequency TROUT等  *2018年現在)を中心に使っています。これは柔軟なティップを持つ、私のロッドアクションにマッチする事と、実際の釣りのキャスティングレンジ内においても繊細なプレゼンテーションを可能にできると考えているからです。

また、リーダーは基本的にライン先端(リーダーとの接続部分)の60%程度のバットを持つテーパーデザインのリーダーでテストしています。

これはロッド、そしてラインの力の伝達を考慮した上での選択です。

 

尚、上記は一つの基準であり、ラインのブランドやモデルによってはフィーリングが異なります。オーダー時に、貴方の釣りの環境やスタイルをお聞かせ下さい。

taper desgin:

私のロッドのテーパデザインはすべて私のオリジナルのものであり、日々の釣りの中で進化を続けています。釣り竿としての動作と性能を生み出す為の完成したテーパーデザインに到着することは、多くの相互に関係する要素を含む試行錯誤と長いプロセスを要します。

私は先ず、The Benchmark (基準)を作る祭、アウトラインテーパーを完成させる為に少ない物で6本、多い物で10数本のソリッドロッドの試作品を作ります。 その中から最適だと思われるアクションを選び出し、釣りに出かけては、微調整を繰り返し、最適なアウトラインテーパーを導き出す作業を行います。ソリッドロッドでも持ち重りしないバランスの取れたロッドに仕上がりますが、更なる軽量化と反発力を探る為、アウトラインテーパーを完成させた後にインターナルテーパー(ホロービルド)の可能性を導き出します。

ホロービルドの考え方については自然の竹の弾力性、粘り強さを応用しています。竹は自然環境下、風雪に耐える弾性、粘り強さは竹の組織、節と空洞の構造から理解できます。組織について、竹の維管束は独立的に存在し、鉄筋コンクリートの鉄筋にあたり、そのまわりをリグニンを多く含む柔組織はコンクリートに例えらます。こうして竹はからだを強く保っているのです。そして、そこに珪酸成分を含み竹は強度を高めています。この珪酸は稈(みき)の外側(表皮)に約5%と多く、内側には約0.1%と少ないく、珪酸を多く含む竹ほど強くなります。次に節について、竹についている節の数は種類や大きさによって異なり、孟宗竹で約73、真竹で約71、黒竹で約43あると言われています。ここでもっとも大切なことは、稈の太さと節の数、節と節、その間の空洞とバランス、上下のバランスだと考えています。

竹はこのバランスによって円錐形状の復元力と復元速度、つまり反発力によって、過酷な自然環境下でもまっすぐ立っていることができます。

私はこの組織と構造のバランスを参考にし、ロッドのインターナルテーパーに応用しています。また、私はソリッドビルド、ホロービルド、それぞれの長所があると考え、モデルに合わせた採用をしています。

 

oil finish:

ロッド最終仕上げは天然由来オイルを配合したオイルで数日間にわたりブランクを拭き上げ、表面に防水・保護膜を作ります。オイルで形成された防水・保護膜は一般的な樹脂コーティングに比べ、重量増が無く、テーパーデザイン通りの柔軟なティップとしっかりとしたバットを持つ、  “伝統的な速いアクション”を実現しています。また、オーナーご自身が日々の手入れができ、愛着を持ち、永く使える道具への配慮でもあります。

 

オーダー、その他の詳細はお問い合わせいただけましたら幸いです。

私は、フライフィッシング、何世代にも渡って伝承されるべきのためのスポーツとその自然環境保護への情熱を共有する皆さまからのお話を大切にしています。

 

Joy to go to fishing.

”心地よい使用感、使う事の楽しさ、釣りへ出かける喜びを”

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